あなたは親御さんや先生、職場の上司によく叱られてきましたか?それとも褒められてきましたか?
「褒めて伸ばす」or「叱って伸ばす」、どちらが正しいかよく議論されることが多いですよね。
しかし、私はこう考えています。子育てをはじめとする他者とのコミュニケーション全般において「褒めること」や「叱ること」は避けるべ気であると!
理想的なアプローチは「横の関係」を築くことです。同じではないけれど、対等である――そんな関係性の中で、「感謝」と「喜び」を素直に素直に伝えることで真の信頼を築くことができます。
今回は「褒める」や「叱る」がNGである理由を深掘りし、深い信頼関係の築き方についてご紹介します😊
この記事を書いた人
佐藤 ライカ
ライフワークデザイナー / ITベンチャー勤務のWebエンジニア / 元Webライター。
30歳、身長162cm、体重は秘密、血液型O型。爽やかなポニーテールに、シンプルな服装を好む。キャンバスバッグにはインスピレーションノートとカラフルなペンを常備。童顔なこともあって実年齢より10歳若く見られがち。
【性格】活発でクリエイティブな「知識探求者」。新しいことに挑戦し、役立つ情報をシェアするのが大好き。基本的には温厚だが、ホルモンバランスが崩れると暴言吐きがち。超負けず嫌い。
【趣味】読書(年間58冊)、トレンドチェック&情報収集、筋トレ(ジム通い)、SNS運用(3ヶ月でフォロワー1000人over)。猫が大好きで、今すぐにでも飼いたいと思っているが、きちんと世話できる自信がないため、一旦はYoutubeで猫の動画を見て癒される形で落ち着いている。
速読を活かして、短時間で豊富な情報を吸収・発信するのが得意。常に新しい知識を蓄え、読者の人生を彩るアイデアを提供中。
目次
1. 褒めることが抱える意外な落とし穴
「褒めて育てる」という言葉、誰もが一度は耳にしたことがあるでしょう。しかし、褒めるという行為の裏には思わぬ問題が潜んでいます。
たとえば、子どもが夕飯の準備を手伝った際に「お手伝い、えらいね!」と褒める行為。これ、一見良いコミュニケーションのように思えますが、実は上下関係を暗黙のうちに強調しているのです。
なぜなら仮に夫が同じこと(夕飯の準備を手伝うこと)をした場合、「お手伝い、えらいね」とはならないですよね。
褒める言葉には無意識に「上から目線」のニュアンスが含まれています。能力のある人が能力のない人を評価している、という側面があったりするわけです。
👉 褒める行為のリスク
- 上下関係の強調: 褒める側が評価者、褒められる側が被評価者という構図を生む。
- 操作の意図: 褒めることで相手を特定の行動に導こうとする意図が含まれる。
- 内発的動機の低下: 褒められることで、相手の行動が外的報酬に依存しがちになる。
とはいえ「褒められると嬉しい」という気持ちは、誰にでもある自然な感情ですよね。だから、褒められたいから頑張る。勉強したり、礼儀正しくしたり、仕事を一生懸命する――そういう行動の原動力になっていることも多いです。尊敬する人から褒められたら、なおさら嬉しいものです。
でも実は、この「褒められたい」という気持ちや、「誰かを褒めてあげよう」という行動には、知らず知らずのうちに上下関係が含まれていることがあります。褒める側には「相手を良い方向に導きたい」「操作したい」という意識がどこかにあるんです。
そして、褒められたいと思う側も、結果的にその操作を受け入れている状態になってしまう。こうして、「縦の関係」にとらわれてしまうんですね。
だからこそ、「褒める」「褒められたい」を手放すことで、本当の対等な関係――いわゆる「横の関係」に近づける、という考え方なんです。
2. 叱ることがもたらす負の連鎖
「叱ることで育てる」という考え方も、実は問題を抱えているんです。叱るときって、多くの場合、相手を正そうとか、改善させたいという気持ちがありますよね。
でも、この行為にも実は「上下関係」や「相手を操作したい」という意図が隠れていることが多いんです。
また、叱られた側はどう感じるかを考えてみましょう。相手によっては、叱られることで恐怖や不安を感じることがあります。
「自分はダメな人間なんだ」と思い込んでしまったり、叱られること自体がトラウマになったりすることもあります。そして、その結果、相手との信頼関係にヒビが入ることだって少なくありません。
😟 叱ることのデメリット
- 自己肯定感の低下: 叱られることで自分の価値を疑うようになる。
- 防衛反応の誘発: 相手が自己防衛のために嘘や隠し事をするようになる。
- 長期的な関係の悪化: 繰り返し叱られることで信頼関係が損なわれる。
特に親子関係や上司と部下の関係では、叱ることは一時的には効果があるように見えるかもしれません。でも、長い目で見ると、相手の心に「恐怖」として深く刻まれることがあります。
その恐怖心は、相手の成長を妨げたり、関係を悪化させたりする原因になることが多いんです。
3. 人間関係における「横の関係」の重要性
私たちが築くべきは「横の関係」、すなわち対等な関係です。人が他者を褒めるもの叱るのも「縦の関係」なので、本質的なより良い関係は難しいと考えられます。
褒めるもの叱るのも結局は相手を操作する意図が隠されている = 「相手をコントロールするための行為」なのです。いわば、「飴を使うか鞭を使うか」の違いであって、背後にある目的は同じく相手を操作することにあります。
褒める・叱る行為に共通するのは、そこに「縦の関係」が存在していることです。縦の関係とは、力関係や評価軸によって上下が決まる構図のこと。しかし、私たちが築くべきは「横の関係」、すなわち対等な関係です。
💡 横の関係のメリット
- 劣等感の排除: 優劣の意識が薄れるため、相手をリスペクトできる、暴言や愚痴・不平不満・文句も発生しなくなる。
- 健全な自己表現: 恐れずに意見を言い合える、交わせる環境はできる。
- 真の信頼構築: お互いを対等な存在として受け入れることで信頼が深まる。
専業主婦に「稼ぎがないくせに」や「誰のおかげで飯が食えていると思っているんだ」と発言する男性の話を耳にしますが、こうした言葉は非常に情けないものです。経済的な優位性と人間的な価値は無関係であり、会社員も専業主婦も役割が異なるだけで対等です。
こうした発言をする人は、おそらく自分の中に劣等感を抱えているのでしょう。女性が自分より賢くなることや、自分以上に稼ぐことを恐れ、経済力を振りかざして優越感を保とうとしているのです。しかし、これは「縦の関係」にとらわれた考え方であり、人間関係を不健全にします。
「経済的な優位性は人間的な価値に全く関係がない」と理解し、「横の関係」で互いを尊重できれば、劣等感や優越感に悩むことはなくなります。どちらの役割も尊いものと認め、対等な関係を築くことが、真の信頼と感謝を生むのです。
4. 褒める・叱るの代わりに何を伝えるべきか
横の関係を築くことができれば、劣等感や優劣のコンプレックスが生まれる余地がなくなります。横の関係を築くためには「褒める」や「叱る」ではなく、「感謝」と「喜び」を素直に伝えることです。
😊 感謝の言葉の具体例
- ☺️「お手伝いしてくれてありがとう!」
- ☺️「部屋が片付いてすごく助かったよ!」
- ☺️「一緒にこれをやれて嬉しい!」
例えば友人があなたの部屋の掃除を手伝ってくれたとします。そのとき、あなたは「ありがとう」と言いますよね。同じように、パートナーが仕事を手伝ってくれたときも「ありがとう」や「助かった」「嬉しい」と感謝や喜びを伝える。これが「横の関係」に基づくアプローチです。
感謝や喜びの言葉は、上下関係を強調することなく、相手にポジティブな影響を与えます。
5. 実践方法:感謝と喜びの伝え方
では、日常生活の中で具体的にどのように感謝と喜びを伝えれば良いのでしょうか?以下のステップを参考にしてください。
😇 感謝を伝える具体例
- 「食器を洗ってくれてありがとう。おかげで時間に余裕ができたよ。」
→ 家事を手伝ってもらったことに対して具体的に感謝を伝える。 - 「いつも話を聞いてくれてありがとう。安心できるよ。」
→ 相手の支えに対する感謝を素直に共有。 - 「今日、一緒に買い物に行けて助かったよ。ありがとうね!」
→ 協力してくれたことへの感謝を伝える。 - 「道を教えてくれてありがとう!迷わずにすんだよ。」
→ 相手の助言が役立ったことに感謝を表現。 - 「この資料を準備してくれたんだね。すごく助かったよ、ありがとう!」
→ 具体的な行動に対する感謝を伝える。
😇 喜びを伝える具体例
- 「一緒にこの映画を見られて本当に楽しかった!次もまた一緒に観たいな。」
→ 共に過ごした時間への喜びを共有する。 - 「プレゼントをもらえてすごく嬉しかったよ。選ぶのに時間をかけてくれたんだね。」
→ プレゼント自体ではなく、相手の気持ちに喜びを伝える。 - 「このプロジェクト、一緒に進められてよかったよ。安心して作業できた!」
→ チームワークの心地よさを喜びとして伝える。 - 「朝、一緒に散歩できて気持ちよかった!素敵な時間をありがとう。」
→ 日常の中の喜びを共有する。 - 「今日の話、すごく面白くて元気をもらえたよ。一緒に笑えて嬉しかった!」
→ 楽しい時間を共に過ごしたことに対する喜びを伝える。
💡ポイント
- 評価や分析を避ける:「〇〇だから素晴らしい」などの評価はせず、相手の行動が自分にどう影響したかを伝えます。
- 感情にフォーカス:「ありがとう」「嬉しい」「助かった」など、自分が感じた感情を正直に表現します。
- 具体性を大切に:行動や状況を具体的に言葉にすることで、相手にとっても伝わりやすくなります。
これらの言葉を使うことで、相手との対等な関係が築きやすくなります。日常生活にぜひ取り入れてみてください!
6. まとめ:対等な関係がもたらす真の信頼
人は無意識のうちに、「縦の関係」か「横の関係」か、どちらかのスタイルで人と接しています。そして、一度「縦の関係」で誰かと接すると、その考え方が他の人間関係にも影響してしまいがちです。「この人とは対等で、この人とは上下関係」と都合よく使い分けるのは、実はとても難しいのです。
「縦の関係」で相手を見ると、どうしても優劣をつけたり、誰かを見下したりしてしまいます。一方で、「横の関係」では、相手を対等な存在として尊重できます。この違いが、人間関係の深さや質を大きく左右します。
「褒める」や「叱る」は一見効果があるように思えますが、それはその場限りのものです。長期的な信頼関係を築くには、「感謝」や「喜び」を素直に伝えるほうがずっと効果的です。
たとえば、「すごいね!」ではなく、「ありがとう!」、「それいいね!」ではなく、「それをしてくれて嬉しい!」といった言葉を使ってみましょう。他人を操作しようとするのではなく、相手への感謝や喜びを伝えることで、自然と相手との距離が縮まり、深い信頼関係が生まれます。
褒めたり叱ったりするのではなく、感謝や喜びを言葉にして伝える。それだけで、驚くほど人間関係が変わってくるはずです。